2008-12-10から1日間の記事一覧

【七】

戻れない事などは、この男が一番知っているのだろう。 「つっ」 と小さな舌打ちがわたしの口をついて出た時にはもう、 もう、男は泣きじゃくり肩を畳に落として動くのもままならない様だった。 いつのまにか障子は白み、朝が戯れ事を払拭する時間。 わたしの…